2009.6.23 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

芦安地区にホタル復活 放流続けた人工川に20匹 地元小と住民活動5年

 南アルプス市の芦安小と芦安地区住民は、河川工事の影響などで姿を消していたホタルの復活に成功した。2005年にスタートした活動では水槽での飼育に始まり、グラウンドに繁殖のための人工の川を造成、幼虫を放流し続けてきた。活動開始から5年目の今年、初めて光を放ちながら舞うホタルが確認された。

 同校によると、かつて芦安地区には多くのホタルが生息。しかし、台風被害を受けた河川で治水工事が行われたり、田んぼなど生息できる環境が減った影響などで、姿が見られなくなったという。

 同校は05年から、環境学習の一環としてホタルの繁殖活動をスタート。地域住民を講師に招いた学習会を開いたほか、07年にはホタルの住める空間を目指し、芦安中グラウンドに付近の沢の水を利用した「ホタル川」を設置。地域住民の協力も得ながら、幼虫の放流、餌となるカワニナの確保などを続け、今年はホタル川下流に池も設けた。

 取り組み開始から5年目。ホタル川で今月15日、初めて光を放って飛ぶ成虫の姿が確認された。「乱舞とまではいかないが、多い時には20匹ほど舞っている」(同校)という。

 同校では、ホタルが乱舞したかつての芦安地区を取り戻そうと、今後もホタルの復活に取り組む。6年の樋川優也君は「ホタルが舞い、今までの夢がかなった。芦安のホタルを多くの人に観賞してほしい」と話している。

【写真】ホタルの生息環境をつくるため、造成した池=南アルプス・芦安中

(2009年6月22日付 山梨日日新聞)

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