2004.6.17 News / 登山 / 山小屋 /

白根御池小屋、5年ぶり再建

 南アルプス市は来年度、雪崩の直撃を受けて1999年に全壊した北岳の山小屋「白根御池小屋」の再建工事に着手する。関係省庁との協議で法的条件をクリアしたことを受け、来年度当初予算案に建設費を盛り込む。旧芦安村時代からの懸案だった同小屋の再建が、全壊から5年目で実現に向かう。

 広河原から北岳に向かう途中、標高2,230メートル地点にある白根御池小屋は、鉄骨平屋と木造一部2階建ての2棟で営業していたが、99年4月の雪崩で全壊した。

 芦安村(当時)は仮設の山小屋で営業を再開する一方、検討委をつくって再建を協議。施設にかかる雪圧や環境調査の結果を踏まえ、仮設小屋から数メートル山側を建設地に決めた。

 昨年3月から環境省や林野庁に対して建設同意や保安林指定の解除、国立公園内の作業許可の申請を行い、10月ごろに法的条件をすべてクリアしたという。

 新しい施設は鉄骨2階建て、建設面積は約630平方メートル。過去の実績をもとに、宿泊定員を148人としている。資材をすべてヘリコプターで運ぶなどの手間がかかるほか、工事できる期間が限られているため、完成には約2年かかる。総事業費は約3億6千万円。

 市商工観光課によると、白根御池小屋は南アルプス林道の通行止めで登山者が激減した昨年を除き、ここ数年は年間で3千-4千人の利用(テントサイト含む)があるという。

【写真】雪崩による倒壊後、仮設小屋で営業している白根御池小屋=南アルプス・北岳

(2004年2月25日付 山梨日日新聞)

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