2009.8.15 News / 自然文化 / 動物・鳥 /

甲斐犬の里を復興へ 飼い主探し繁殖めざす 南アルプス市芦安・伊井さんが飼育活動

 天然記念物の甲斐犬の発祥の地・南アルプス市芦安地区で、「甲斐犬の里」の復興を目指す動きがある。同地区の市職員伊井和美さん(49)が育てる愛犬が産んだ子犬に市内に飼い主が見つかり、現在は2匹が元気いっぱい成長。市内の飼い主も繁殖により次世代へつなぐ意向を持っていて、伊井さんは「合併した今、甲斐犬の里は芦安であり南アルプス市でもある。市内で普及したい」と意気込んでいる。

 市などによると、甲斐犬は大正末期に発見された山梨県特有の日本犬。ほかの種類の犬と比べスピードや跳躍力があり、狩猟パートナーや番犬として飼われることが多い。1934年に国の特別天然記念物に指定されている。旧芦安村が発祥の地とされ、かつては同地区の多くの家で飼われていたが、現在は数える程度にまで減少したという。

 伊井さんは甲斐犬の里の復興を目指して94年から飼育を始めた。現在は5匹を飼っていて、子犬が生まれると希望者に譲っている。

 昨年11月と今年5月に計8匹が生まれ、もらい手を探したところ、市内で2軒、市外で5軒が引き取った。

 昨年、甲斐犬(雄)を譲り受けた同市飯野の斉藤謙二さん(56)は、「ムア」と名付けて大切に育てている。「甲斐犬というと人を寄せ付けない番犬のイメージがあったが、人なつっこくて忠誠心も高い」と語る斉藤さん。「チャンスがあればムアの子犬を授かり、甲斐犬を市内に広めたい」と、甲斐犬の繁殖を願っている。

【写真】甲斐犬の普及に取り組む伊井和美さん(右)と斉藤謙二さん=南アルプス市飯野

(2009年8月15日付 山梨日日新聞)

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