南アルプス開山祭 夏山シーズン幕開け 来月17日林道開通 地域活性化に期待

 南アルプス開山祭(南アルプス市、夜叉神観光協会主催)が26日、南アルプス市の金山沢こだま公園で開かれ、南アルプスに夏山シーズンの幕開けを告げた。県が、7月17日からの南アルプス林道の通行止め解除を決めたことを受け、関係者からは地域の活性化を期待する声が相次いだ。

 市や県、環境省の関係者や登山客ら約150人が参加。石川豊市長は林道の通行止めが二年ぶりに解除されることに触れ、「今年は明るい開山祭になった。広河原一帯の整備をさらに進め、より多くの人に山に入っていただきたい。南アルプス観光の出発の年と感じている」とあいさつした。

 芦安中の生徒が「北岳の歌」の合唱を披露。夜叉神太鼓は、息の合った和太鼓演奏で会場を盛り上げた。この後、100年前と同じいでたちの山の案内人が、「蔓(つる)はらい」の儀式を行った。登山者らは蔓でできた門をくぐり抜け、安全登山を祈願した。

 シーズンを通して林道を使えなかった昨年は、山小屋や宿泊施設の利用客が大幅に減った。今年はシーズンが最盛期を迎える7月中旬にマイカー規制、時間規制を敷いて通行できることになったため、関係者からは安どの声も聞こえた。

 広河原山荘管理人の塩沢久仙さんは「林道の通行止めが南アルプスの登山や観光を見直すいい機会になった。自然保護と適正利用を両立するには課題もあるが、モデルとなれるようにみんなで取り組みたい」と話した。

 千葉県松戸市の橋本忠勝さん(66)は「年に2回、南アルプスに来るのを楽しみにしている。林道が通れることになり良かった。マイカー規制はやむを得ないのではないか」と話していた。

【写真】蔓はらいをして安全登山を祈った南アルプス開山祭=南アルプス市芦安芦倉の金山沢こだま公園

(2004年6月27日付 山梨日日新聞)

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