2015.6.11 News /

子授け信仰受け継ぐ 韮崎・「白鳳会」 地蔵ヶ岳に地蔵運び30年 山と共存、200年の歴史

 韮崎市の山岳会「白鳳会」(秋山泉会長)は、地元の地蔵ケ岳(2764メートル)に伝わる「子授け信仰」を後世に継承するため、地蔵を山頂に運び上げる活動を続けている。1980年代に始まり、これまでに約20体を安置した。秋山会長は「地域住民には自然崇拝と祖先の信仰をいつまでも大切にしてほしい」と話している。

 子授け信仰は、約200年以上前からあるとされる。山から地蔵1体を持ち帰ると子どもを授かり、お礼に2体を返すと子どもが健康に育つとされる。地蔵ケ岳の標高2700メートル付近のガレ場「賽の河原」には約50体の地蔵が置いてある。

 言い伝えを信じて地蔵ケ岳に登る人は今でもいるが、強風で風化するなど地蔵の数は減ってきているという。同会の活動は、一つでも多くの地蔵を置いて、信仰を次世代に伝えていこうと始め、10年ごとに行っている。

 今回は、御影石で作った重さ約20キロの地蔵2体(高さ約45センチ、幅約25センチ)を用意。5月30日に同会メンバーら約20人が参加し、地蔵を交代で担ぎ山頂を目指した。市内の御座石鉱泉から登り、山小屋で1泊。31日にガレ場に地蔵を置き、参加者全員で合掌してから下山した。

 秋山会長は「山に敬意を表す精神は日本古来からある。時代の流れとともに地域信仰が失われてしまわないように今後も活動を続けたい」と話している。

 白鳳会は1924年に創立。県内外で登山をするほか、遭難者の救助活動、植生調査、登山道の安全確認などを行っている。会員は市内外の登山愛好家で約60人。

 (山梨日日新聞 2015年6月13日付)
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