2014.11.01 News /

遭難急増、紅葉期で警戒 県警、秋登山に異例の指導

 山梨県内で9月以降、登山者の遭難が例年を上回るペースで急増、本格的な紅葉シーズンを迎え、県警が警戒を強めている。10月25、26両日には県内で9件、10人の遭難が相次ぎ、標高2千メートル以下の比較的低い山にハイキング感覚で登山した人が、道に迷うなどして下山できなくなるケースが目立った。県警は3連休初日の11月1日、各地の登山道入り口などで指導を計画するなど異例の対策に乗り出す。

 県警地域課によると、9~10月の遭難件数は38件で、今年に入って発生した遭難(96件)の約4割を占めている。秋山シーズン(9~11月)の遭難件数は2009年以降、11~40件で、今年は例年を上回るペースで発生している。

 10月25、26両日は日没間近に遭難したとの通報が各署に相次いだ。25日には小菅村の三頭山(標高1531メートル)で女性(47)が下山中、道に迷い、午後5時ごろに通報。同日中に救助された。甲州市の笠取山(1953メートル)では同日夜、男性(65)が道に迷い、下山できなくなったと通報。同日中に救助された。いずれも懐中電灯は所持していなかった。

 25、26両日の遭難のうち6件が、標高2千メートル以下の比較的低い山で発生。同課は「ハイキング感覚で登山した人が遭難するケースが多い。夏場より日没が早いことを念頭に置き、懐中電灯を所持するなどの対策も不十分」と指摘する。

 3連休初日の11月1日は県内8署が、登山道入り口や駅などで装備品の確認や登山計画書の提出を促すなどの指導を実施。安全登山を呼び掛けるチラシも配布する。秋山シーズンが終盤を迎えた11月の活動は異例だ。同課の小宮寿次席は「早く登山を開始して早めの下山を心掛け、万が一を想定し、非常食や防寒具、携帯電話の電池などしっかり準備してほしい」と呼び掛けている。

 (山梨日日新聞 2014年11月1日付)

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