南アルプス 入山料検討 徴収可否、制度を協議へ 3県の10市町村合意

 南アルプスが位置する山梨、長野、静岡3県の10市町村は28日、登山道整備などの財源確保に向け、登山者からの入山料徴収を検討することで合意した。南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されたことを受け、地元自治体の首長の間では「自然環境や景観保全には、登山者に一定の負担を求めることが必要」と徴収に前向きな声が出ていた。10市町村でつくる「南アルプス世界自然遺産登録推進協議会」で今後、徴収の可否を含め具体的な制度設計に関し協議を始める。

 入山料徴収の検討は、南アルプスの国立公園指定50周年を記念して長野県伊那市内で開かれた「10市町村長懇話会」で白鳥孝伊那市長が提案し、了承された。南アルプス市の中込博文市長は席上、「エコパーク登録を機に登山道整備などをきっちり考えなければならない。登山者から入山料を徴収する時代が来ている」と徴収に前向きな姿勢を示した。

 10市町村は、2007年2月に南アルプス世界自然遺産登録推進協議会を設立し、エコパーク登録に向けた作業を進めてきた。協議会は今後、入山料徴収の可否を含め、具体的な制度設計を検討する方針。ただ、エコパークの登録地域では3000メートル級の山だけでも、標高国内2位の北岳(3193メートル)、3位の間ノ岳(3190メートル)など10を超えており、徴収方法、場所などの検討課題は多い。

 中込市長は懇話会後の取材に「入山料の徴収に向け、課題は多いが、協議会の話し合いの中で、一つ一つクリアにしていきたい」と話した。懇話会では入山料以外に、案内看板のサイズや表記の統一を検討していくことなども決めた。

 世界文化遺産に登録された富士山では昨夏、山梨、静岡両県が入山料(協力金)徴収を試験的に実施しており、今夏から本格導入する。山梨県は20日からインターネットやコンビニエンスストアを通じた事前納付を受け付けている。

(山梨日日新聞 2014年6月29日付)

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