エコパークめざす南アルプス リニア計画で環境破壊懸念
エコパークは生態系の保全と持続可能な活用の両方を図るのが目的。国立公園内を核心地域として保護し、周辺の約30万ヘクタールを自然との共生を目指す緩衝地域、移行地域として申請している。ユネスコの国際諮問委員会が今年3~5月に審査し、同6月に登録の可否が決まる見通し。
また、世界遺産登録への挑戦もあきらめていない。南アルプスは03年の国の選考会で世界遺産の候補から落選したが、同協議会は「南アルプスの価値が理解されなかった」として、専門家でつくる南アルプス総合学術検討委員会を発足。南アルプスの価値を一覧表にするなど価値選定を行っている。
リニア中央新幹線の計画では、国立公園内をトンネルで通過することになっている。同協議会のエコパーク推進部会や同検討委は、自然環境への悪影響を懸念する意見書をJR東海に提出し、慎重な工事を求めている。
【写真】甲斐駒ケ岳=北杜市高根町箕輪から
(山梨日日新聞 2014年1月1日付)