エコパーク リニア工事 自然配慮を 南アルプス検討委 JRに要望へ

 南アルプスの国連教育科学文化機関(ユネスコ)生物圏保存地域(エコパーク)への登録を目指し、専門家らでつくる南アルプスユネスコエコパーク登録検討委員会(増沢武弘委員長)は18日、JR東海に対し、リニア中央新幹線の工事によって登録に影響が出ないように要望していくことを確認した。工事や残土処理の跡地について、自然を復元するとともに、教育、観光への利活用を求めるという。

 検討委はリニア中央新幹線の環境影響評価準備書が公開されたことを受け、市地域防災センターで開かれた。非公開だったが、検討委によると、委員からは「工事で地下水位や水質に影響が出ないか」「工事の残土をどこに処分するのか」などの発言があった。今後、議事録をまとめて要望書を作成し、JR東海に提出するという。

 会議後、増沢委員長は「山梨県側ではエコパークの移行地域にトンネルが掘られ、緩衝地域の下を通過する。工事の跡地や残土処分地などの自然を復元した上で、エコパークの理念に沿った教育や観光への利活用を考えるべきだ」と話した。

 (山梨日日新聞 2013年10月19日付)

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