2013.7.01 News / 登山 / 山小屋 /

「長衛小屋」で新装開業 南アルプス 開山の祖の名に戻す

 南アルプス市芦安芦倉の「北沢駒仙小屋」が29日、「長衛小屋」としてリニューアルオープンした。老朽化に伴って昨年建て替えられたことに合わせ、2006年まで使われていた名称に戻した。名称変更は、小屋を建てた南アルプス開山の祖・竹沢長衛の出身地である長野・伊那市が要望していた。

 市によると、建て替えた小屋は木造2階建て、延べ床面積約270平方メートルで、収容人数は56人。工事は昨年に完成したが、冬季に入っていたため、南アルプスの山開きに合わせて、この日竣工式が行われた。

 小屋にはシャワールームや男女別のトイレを設置し、女性でも利用しやすい環境を整えた。

 登山者が交流する談話室も新たに設け、併設した掲示板には建て替え前の小屋の棟木を使った。

 小屋は竹沢長衛が1930年に建築。「長衛小屋」と呼ばれたが、伊那市側にある「長衛荘」と混同する登山者が多く、「北沢駒仙小屋」に名称を変更した。

 しかし、伊那市が長衛小屋に名称を戻すように南アルプス市に要望し、長衛荘の名称も変更することで両市が折り合った。

 式に参加した伊那市の白鳥孝市長は「長衛さんの山に懸けた情熱を伝えていく。(名称変更について)心より感謝している」とあいさつ。中込博文市長は「長衛さんに倣い、自然を守る心を継いでいきたい」と話した。

 【写真】リニューアルオープンした長衛小屋。新設した談話室には、前の小屋の棟木を使った掲示板(写真右)が設置された=南アルプス市芦安芦倉

 (山梨日日新聞 2013年6月30日付)

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