櫛形山のアヤメ 開花6倍 防護ネット効果か 設置範囲を拡大へ

 消滅の恐れがある櫛形山のアヤメ群落の保全に取り組む、南アルプス市の櫛形山アヤメ保全対策調査検討会(大久保栄治会長)は今月上旬、群落でアヤメ250本の開花を確認した。開花数は前年度(40本)の約6倍。2007年度に設置した、野生動物の侵入を食い止める防護ネット内側のみで咲いているため、同検討会は今後もネットの設置範囲を広げていくという。

 同検討会は、7日に植生調査を行い、前年度を大幅に上回る開花を確認した。防護ネットは裸山エリアとアヤメ平の2カ所に設置しているが、開花が確認できているのは裸山エリアだけ。アヤメ平で開花が進まないことについて、同検討会は「日当たりの悪さが影響している可能性がある」とみて、今後詳しい調査を行うという。

 櫛形山では、1960年代後半からアヤメの開花数の減少が指摘されてきた。2006年度からはニホンジカやイノシシの食害や踏み荒らしによってアヤメの開花数が激減。全盛期には約2900万株、花の数約320万本と推定されたが、07年にはほとんど咲かなくなっていた。

 南アルプス市ではアヤメの保護に向けて、同年に検討会を発足。防護ネットを設置するなど、野生動物からの保護対策を進めてきた。同検討会は「野生動物の被害対策を講じた上で、アヤメにとって良い環境を考えていく必要がある。今後も自然環境の保全を目指していきたい」としている。

 【写真】櫛形山の裸山に設置した防護ネットの中で花を咲かせるアヤメ

 (2011年7月15日付 山梨日日新聞)
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