建物の外観や色指定 南ア市が景観計画 周辺との調和求める

 南アルプス市は、独自の景観形成基準などを盛り込んだ「景観計画」を策定した。建物の色や外観を周辺景観との調和に配慮することなど、厳密な指定を設けない骨格部分の基準にとどめた。市は、同計画に実行力が伴う市景観まちづくり条例を制定し、4月から施行。南アルプスのふもとの自然と調和した風景を守っていく。

 景観計画では、市内を山岳景観、山間景観、田園居住景観の三つのエリアに分けた。「奥ゆかしさと本物を誇る風景づくり」を基本理念とし、山岳景観の厳正な保全・継承(山岳)、自然景観の保全と自然レクリエーションの場にふさわしい景観づくり(山間)などエリアごとの目標を定めた。

 景観形成基準では、市内で建物を新築、増築などする場合の外観や屋根、色彩、素材などを指定。ただ、周辺との調和に配慮することや落ち着いた色彩を基調とすることなど細かく限定しない基準とした。

 基準の違反が確認された場合は、市が当事者に勧告または命令。従わなければ氏名や住所などの規定事項を公表することができる。

 市は計画の推進に向け、来年度「市景観審議会」を設置。市民参加による先導的な景観まちづくりプロジェクト推進なども計画し、市民との協働による景観づくりを目指していく。

 市都市計画課は「市内にある風景資産を守り、後世に引き継いでいく取り組みを進めていきたい」としている。

 (2011年1月24日付 山梨日日新聞)

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