2010.11.19 News / 登山 / 人物・団体 /

クマ“撃退”の名犬逝く 飼い主とともに登山100回 韮崎の三上さん「尻皮」として形見に

 飼い主と一緒に数多くの山に登り、山でクマに襲われた主人を救ったこともある名犬が亡くなった。韮崎市本町1丁目の三上浩文さん(50)の飼い犬雌「ナナ」。三上さんは、ナナの毛皮を山で休憩するときに敷く「尻皮」として残すことにし、ナナとの“登山”をこれからも続けていく。

 2004年6月13日、南アルプス市の千頭星山(標高2138メートル)で尾根周辺を下山していた三上さんを、体長80センチ~1メートルのツキノワグマが突然襲った。三上さんはクマのつめで右足などを負傷した。一緒に登山していて、その場から逃げたナナにクマが気をとられ、追い掛けていったため、三上さんは難を逃れることができた。

 「あの子がいなかったらもっとひどいけがをしていたかもしれない。本当に感謝している」と三上さん。逃げたナナは約1週間後、ふもとの農家に保護されていることが分かり、無事だった。その後も2人の登山は続いた。登山の回数は100回以上という。

 ナナはもともと捨て犬だった。釜無川の信玄堤に捨てられたいたのを拾われて、三上さん宅で育てられた。優しく人懐こい性格で、登山中、山で出合う登山者たちにも愛されていた。

 今年9月10日ごろに急に食欲がなくなり、同18日に静かに息を引き取ったという。13歳だった。

 三上さんは「形として残せば思い出としても残る」と、ナナの毛皮を尻の下に敷く「尻皮」とすることを決めた。プロの山岳ガイドになることを目指している三上さん。「これからもナナと一緒に登山を続けたい」と話している。

(2010年11月17日付 山梨日日新聞)
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