2010.11.17 News / その他 /

捜索費負担 遭難者に重く 山岳事故 民間出動、数十万円請求も 協会、保険加入呼び掛け

 山梨県内でキノコ採りなどで山に入ったまま遭難する事故が相次ぎ、行方不明者の捜索で県警や消防が出動するが、今年は地元山岳会など民間人の応援を受けるケースが増えている。県警や消防の捜索費用は公費負担となるが、民間人の場合は遭難者が費用を支払い、捜索が長引けば数十万円という高額になることもあるという。日本山岳協会は捜索費用などを補償する保険への加入を呼び掛けている。

 県警によると、今年の山岳遭難は4日時点で、87件発生し、昨年同期より24件(38.1%)増加。最近はキノコ採りに出掛け、行方不明になるケースが目立った。

 先月、都内の男性が甲州、大月両市の境にある山で不明になり、県警は地元の協力を受けて約40人態勢で捜索。早川町で起きた男性の遭難事故では、南部署が約20人の捜索隊を編成、大半の15人が民間人だった。

 今年1~9月に発生した遭難事故66件のうち、山岳会など民間人が捜索にかかわったケースは27件あり、延べ136人が出動した。昨年同期より9件、人数で72人多い。

 県警などは、捜索に人手が必要な場合、遭難者の家族に費用負担の承諾を得て、地元の山岳会などに捜索を依頼することがある。1人当たりの日当は、夏山が数千円から1万円、冬山が数万円程度。捜索が長期化すると「総額で数十万円かかることもある」(地域課)という。

 日本山岳協会は「山岳共済会」という団体保険をつくり、協会ホームページや各都道府県の山岳連盟などを通じ、会員を募っている。同協会によると、国内用の保険は、ハイキングなどの「軽登山」と、本格登山にも対応する「山岳登はん」の2コース。共済会に入会(無料)した上で年会費(1000円)と保険料を払えば、捜索費用などの補償が受けられる。

 保険料は内容によって異なり、軽登山は2000円と5000円、山岳登はんは3000円程度から2万円程度。捜索費用としては100万~500万円を補償してくれる。会員の登録は右肩上がりで、今年10月時点で5万人を突破、15年前(1995年、9710人)の5倍以上になった。同協会は「捜索が長引けば多額の費用がかかるので、最低100万円程度の補償がある保険に入った方がいい」とアドバイスする。

 県山岳連盟元理事長で、日本山岳協会常務理事の青木茂さん(55)は「体力づくりや気象状況の把握など、事前準備をして登山し、遭難しないことが第一だが、標高が低い山でも事故に遭う可能性はある。ぜひ保険に加入してほしい」と呼び掛けている。

(2010年11月9日付 山梨日日新聞)
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