南アの棚田、ブドウ畑に 地元ワイナリー 景観保全へ栽培工夫

ワイン用ブドウを栽培する棚田。富士山が一望できる=南アルプス市中野

 南アルプス市小笠原のワイナリー「ドメーヌヒデ」(渋谷英雄代表)は、同市中野の棚田に無農薬で栽培するワイン用ブドウ畑を設ける。富士山や甲府盆地を一望できる場所にあり、景観を保てるように工夫しながら栽培する。渋谷代表は「日本の美しさを自慢できる、絶景のブドウ畑にしたい」と意気込んでいる。

 渋谷代表は2014年、同所の景観に魅了されてブドウ栽培に挑戦しようとしたが、経験が浅かったため断念。15年にワイナリー、昨年にカフェをオープンするなどの経験を積みながら再挑戦することを決めた。
 畑の広さは約1・2ヘクタールで、渋谷代表が昨年6月にオープンした、農業体験ができるカフェ「月晴れる」から約300メートル南側にある。中野地区は降水量が少なく、山風が入ることで適度に乾燥するなど、ワイン用ブドウの栽培に適しているという。
 無農薬で栽培し、景観維持のためにビニールをかけず、太陽などに反射する金属の支柱を使わない方法を採用する。今月3日から地域住民らとともに「ヤマ・ソービニヨン」の苗を植え始めていて、月末までに約8千本植える予定。
 ワインは2年後の試験醸造、4年後の商品化を目指す。
 資金として、2月20日からクラウドファンディング(CF)を実施していて、第1目標額の300万円を突破。4月19日までに400万円を目標に集めている。水まきのための噴霧器や景観を楽しむためのピクニックデッキなどに活用する。CFサイト「レディーフォー」で受け付けている(QRコード参照)。

(山梨日日新聞 2024年3月14日掲載)

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