安全登山願い蔓払い

南ア開山祭「夏」幕開け

蔓に見立てたわらの縄をおので切り開いて安全な登山を願う「蔓払い」の儀式＝南アルプス市芦安芦倉

　南アルプスの夏山シーズンの幕開けを告げる開山祭が２４日、南アルプス市芦安芦倉の野呂川広河原インフォメーションセンター前で開かれ、関係者が登山者の安全を祈願した。

　市と市観光協会、南アルプス署などの関係者や登山者約１００人が出席。金丸一元市長は「コロナ禍が収束し、登山を楽しむ多くの人が訪れることを期待している。登山の安全確保に向け、協力していきたい」とあいさつした。芦安小・中の児童生徒２０人が「北岳の歌」「雪山讃歌」を披露した後、関係者が山岳遭難事故者へ黙とうをささげ、献花した。

　安全登山を願う「蔓払い」の儀式では、「山の案内人」に扮した有野一成市議が、夜叉神太鼓の音に合わせて門をふさぐ蔓に見立てたわらの縄をおので切り開いた。参加者は安全登山を祈願しながら、門をくぐり抜けた。

　南アルプス署などは同日、同所に山岳指導所を開設。署員や山岳遭難救助に当たる「大久保基金の会」の会員ら約１０人が、安全な登山を呼びかけるチラシ入りのポケットティッシュを登山者に配布した。

(山梨日日新聞　2023年6月25日掲載)