2021.6.27 News /

南ア2年ぶり開山祭

夏山シーズン到来 安全登山祈願

蔓に見立てた縄をおので切り開いて安全な登山を願う「蔓払い」の儀式=南アルプス市芦安芦倉

蔓に見立てた縄をおので切り開いて安全な登山を願う「蔓払い」の儀式=南アルプス市芦安芦倉

 南アルプスの夏山シーズンの幕開けを告げる開山祭が26日、南アルプス市芦安芦倉の広河原で2年ぶりに行われ、関係者が神事で登山者の安全を祈願した。昨夏は新型コロナウイルス感染拡大で開山祭は中止、公営の山小屋が休業するなど異例のシーズンとなったが、今夏は宿泊受け入れを完全予約制にするなど感染対策を徹底し、登山客を受け入れる。

 開山祭は市と市観光協会、南アルプス署が主催し、関係者や登山者約100人が出席。金丸一元市長は「昨年度は山小屋の休業を余儀なくされたが、今年は感染対策を徹底し、営業できた。登山者の安全を願うとともに、南アルプスユネスコエコパークでの広域的な観光振興を展開していきたい」とあいさつした。

 芦安小・中児童生徒による「北岳の歌」「雪山讃歌」の合唱が披露されたほか、参加者は山岳遭難事故者への献花、黙とうをささげた。

 安全登山を願う「蔓払い」の儀式では、「山の案内人」に扮した三木充市議が、門をふさぐ蔓に見立てた縄をおので切り開いた。出席者らは手を合わせるなどして安全登山を祈願しながら門をくぐり、山へと歩みを進めた。

 昨夏は広河原に通じる県道と林道が封鎖され、北岳周辺の県管理の登山道も利用禁止に。南アルプス市営の山小屋5施設は休業した。今夏は25日に県道と林道の閉鎖を解除し、例年通りマイカー規制を実施。山小屋は営業を再開するが、収容人数を半数に減らして完全予約制で宿泊客を受け入れる。

(山梨日日新聞 2021年6月27日掲載)

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