2014.6.29 News /

エコパーク元年、夏到来 広河原で南アルプス開山祭

 南アルプス市芦安芦倉の広河原で29日、開山祭(南アルプス市、南アルプス署主催)が開かれ、北岳など3000メートル級の山々が連なる南アルプスの夏山シーズンが幕開けした。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されてから、初めて迎える夏山シーズンで、大勢の登山客が訪れた。

 小雨が降る中の野呂川広河原インフォメーションセンター前で開かれた開山祭には、関係者約200人が出席。中込博文市長が「南アルプスが登録されたエコパークは、自然との共生が理念。登山者には、人間が自然の中で生かされていることを感じてもらえるよう、地域として努力していきたい」などとあいさつした。

 登山者の安全を祈る「蔓払い」の儀式では、NPO法人芦安ファンクラブのメンバーらが山の案内役に扮し、組み上げた蔓をおので切り開いた。同市の芦安中の生徒が「北岳の歌」を合唱、登山者らに手打ちそばと市特産の桃などが振る舞われた。

 一方、南アルプス署は野呂川広河原インフォメーションセンター内に「広河原臨時警備派出所」を開設。8月下旬までの週末、署員2人が常勤する。

 初日は登山バスやタクシーを使って訪れた、国内外からの登山者でにぎわった。友人と訪れたカナダ人女性は「南アルプスがエコパークに登録されたことは知らなかったが、日本の中でも有名な山と聞いている。豊かな自然を満喫したい」と話していた。

 【写真】組み上げた蔓をおので切り開く「蔓払い」=南アルプス市芦安芦倉

(山梨日日新聞 2014年6月29日付)

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