2013.2.14 News / 登山 / 山小屋 /

「長衛小屋」の名前復活 北沢峠 伊那市要望に南アルプス市応じる

 南アルプス市と長野県伊那市境の北沢峠にある「北沢駒仙小屋」の名称が、2006年まで使われていた「長衛(ちょうえい)小屋」に戻ることが決まった。名称変更は小屋を建てた竹沢長衛の出身地である伊那市が要望。だが伊那市内には「長衛荘」という山小屋があるため、北沢駒仙小屋を管理する南アルプス市が「登山者の混乱を招く」として、変更に難色を示していた。両市が話し合った結果、長衛荘の名称も変えることで折り合った。

 北沢駒仙小屋は、竹沢長衛が1930年に北沢峠初の登山拠点として建築。昨年5月から建て替え工事が行われ、11月上旬に完成した。伊那市は「地元ゆかりの人物の名を後世に残したい」とし、建て替えに合わせ南アルプス市に名称変更を働き掛けていた。

 北沢駒仙小屋は2006年まで長衛小屋と呼ばれていたが、伊那市の長衛荘を建てた2代目長衛が長衛小屋の名称変更を申し入れてきたことなどから、南アルプス市が名称を変更。甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳の間にある北沢峠に位置していることから、山の名称から一字ずつ取り、北沢駒仙小屋とした。

 伊那市観光課によると、長衛荘の新しい名称は今後、山小屋関係者の意見を踏まえて検討する。同課は「要望に応じてもらえたことに感謝したい」としている。

 南アルプス市の中込博文市長は「来年は南アルプス国立公園が指定50周年を迎えるので、伊那市と協力しながら南アルプスの素晴らしさを発信していきたい」と話している。

 【写真】「長衛小屋」に名称を変更することが決まった北沢駒仙小屋=南アルプス・北沢峠

 (2013年2月14日付 山梨日日新聞)

月別
年別