2014.8.29 News /

富士山、南ア、リニア…環境課題山静で連携

 山梨、静岡両県は28日、世界文化遺産・富士山の環境保全、リニア中央新幹線工事など共通する環境行政の課題で手を携えようと、静岡市で第1回の環境行政連携会議を開いた。富士山頂トイレが使えない期間に配った携帯型簡易トイレを5合目で回収した今夏の両県の対応について、静岡側から「今後は持ち帰りを原則とすべきだ」との意見があり、来夏の登山期間までに両県で協議し、統一した対応を取ることを申し合わせた。

 山梨側は守屋守森林環境部長ら10人、静岡側は池谷広くらし・環境部長ら12人が出席。富士山環境保全、南アルプス環境保全、生物多様性保全の3分科会で協議した。

 富士山環境保全分科会では、静岡側がトイレ稼働状況を聞く山小屋アンケートや、トイレの新技術の調査検討を進めていることを紹介。山梨側は今後、静岡側に調査結果の情報を提供してもらい、老朽化が進む山小屋トイレの維持管理、改修などに生かす。

 携帯型トイレの回収について静岡側は「ゴミの持ち帰りを原則とし、山梨と一緒に指導したい」と持ち掛け、山梨側は「使用済みの回収数が少なかったことも踏まえ、検討したい」と答えた。今後両県で協議し、来夏は統一した対応を取ることにした。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録された南アルプスの環境保全分科会では、リニア中央新幹線建設をめぐる環境面の課題を情報交換。山梨側は「JR東海が環境影響評価を県ごとに行い、静岡側の南アルプスの希少猛禽もうきん類などといった情報が提供されず、広域的な検証が難しい」と説明した。

 リニアに関して事務レベルの情報交換を続けるとともに、必要に応じて両県の専門家の意見交換の場を設けることを申し合わせた。専門家の意見交換は過去2回行われた。

 守屋部長は「両県の共通課題に効果的に取り組むために、意義ある会議ができた。今後も静岡県と密接な連携を図りたい」と述べた。次回は本年度中に山梨県で開く。

 【写真】山梨、静岡両県の環境部局の幹部らがリニア中央新幹線など共通の行政課題を協議した環境行政連携会議=静岡市内

 (山梨日日新聞 2014年8月29日付)
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