2013.9.05 News / 登山 / 人物・団体 /

南アルプスユネスコエコパーク推薦書概要

【推薦名称】
 南アルプス生物圏保存地域(南アルプスユネスコエコパーク)

【申請自治体】
 韮崎市、南アルプス市、北杜市、早川町(山梨県)飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村(長野県)静岡市、川根本町(静岡県)の10市町村

【範囲】
 山梨、静岡、長野の3県、10市町村にまたがるエリア。総面積は30万2474ヘクタール。

 核心地域~厳格に保護、長期的に保全するエリア。県境付近の高山帯を中心に2万4970ヘクタールを設定。

 緩衝地域~核心地域に隣接し、核心地域のバッファーの機能を果たしている。エコツーリズムや環境教育の場に利用されている。面積は7万2389ヘクタール。

 核心地域や緩衝地域は南アルプス国立公園、南アルプス南部光岳森林生態系保護地域、山梨県立自然公園などに設定され、適切に保護、保全されている。

 移行地域~居住区。地域社会や経済発展が図られる地域。山斜面に広がる集落景観が特徴的。風土を生かした茶の栽培、扇状地や河岸段丘上での果樹栽培が盛んで、ブランド化が図られている。また、自然体験施設が整備され、自然環境や地域の歴史、文化を生かした環境教育、エコツーリズムなどが盛ん。面積は20万5115ヘクタール。

【特徴】
 3千メートル峰が連なる急峻な山岳環境の中、キタダケソウといった固有種が数多く生息、生育。ライチョウやヤマネ、イヌワシ、カモシカといった動物のほか、タカネマンテマといった貴重な植物も生息、生育。赤石岳と前岳のお花畑など、わが国を代表する自然環境を有している。

 富士川水系、大井川水系、天竜川水系の流域ごとに古来より固有の文化圏が形成。早川町奈良田の焼き畑農業など伝統的な習慣、ハチの子やサザムシといった食文化、徳山の鹿ん舞(川根本町)や大鹿歌舞伎(大鹿村)といった民俗芸能などを、現代に継承している。

 従来、南アルプスの山々によって交流が阻まれてきた3県、10市町村にわたる地域が「高い山、深い谷がはぐくむ生物と文化の多様性」という理念のもと、南アルプスユネスコエコパークとして結束。南アルプスの自然環境と文化を共有の財産と位置づけるとともに、優れた自然環境の永続的な保全と持続可能な利活用に共同で取り組むことを通じて、地域間交流を拡大し、自然の恩恵を生かした魅力ある地域づくりを図っている。

 移行地域では、経済と社会の発展を目指す取り組みとして、自然体験フィールドの提供や、南アルプス・井川エコツーリズム推進協議会などによるエコツーリズムの推進、地域の農林水産物のブランド化(コメ、桃、ブドウ、茶、ジビエなど)に取り組んでいる。今後、これらの取り組みを南アルプスユネスコエコパークとして、地域共同の取り組みに発展させていく。



南アルプスのエコパーク推薦決定までの経過

 2003年5月 環境省と林野庁の検討会で世界自然遺産の候補地から落選
 2007年2月 南アルプス周辺の山梨、長野、静岡3県10市町村が南アルプスの世界自然遺産登録を目指す協議会を設立
 2009年5月 協議会内にエコパーク調査研究部会を設置
 2011年5月 調査研究部会をエコパーク登録推進部会とし、本格的に登録を目指す
 2013年4月 申請書案を文部科学省のユネスコ国内委員会に提出
 2013年8月 10市町村が登録に向けた基本合意を交わす
 2013年9月 南アルプス地域のエコパークへの推薦が決まる

 (山梨日日新聞 2013年9月5日付)
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