芦安小児童、シカ生態調査 学校農園の食害から学び

センサーカメラの映像を確認する児童ら=南アルプス・芦安小

環境省南ア事務所とモニタリング

 南アルプス・芦安小(松田晃一校長)は、3年生の総合的な学習の授業として、学校周辺でシカのモニタリング調査を実施した。学校農園でシカの食害が確認されていたことから、環境省南アルプス自然保護官事務所に協力を依頼。敷地内にセンサーカメラを設置し、シカ以外にも学校周辺に生息する動物の把握につながっている。

 5月1日午後10時9分、センサーカメラが捉えたのは、校庭にある階段をゆっくりと降りるシカの姿だった。16日に行われた授業で、スクリーンに映る映像を見た児童たちは「角がないからメスかな」「ネコもいる」と身を乗り出して様子を確認していた。
 モニタリング調査は、学校農園で栽培するサツマイモが食害に遭ったり、校庭でシカのふんが確認されたりしていたことから、シカの生態を学ぼうと企画。同事務所の職員が協力し1日から14日間、学校林や校庭など9カ所にセンサーカメラを設置した。
 16日の授業では、同事務所生態系保全等専門員の粟村観月さんと自然保護官補佐の塩島淳美さんが教壇に立ち、センサーカメラが記録した動物を紹介。シカやアナグマ、ネコやキツネなどを見た3、4年生6人は、確認した日付や動物の種類を地図に記録していった。
 16日の授業後に、モニタリング調査で確認した動物の生態をまとめた地図を作成。6月6日に3、4年生が参加する南アルプス・夜叉神峠の登山で、シカの食害やふんなどを確認し、山間部でのシカの暮らしを調べるという。

(山梨日日新聞 2025年6月3日掲載)

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