村松さんの自然写真60点 年代順に紹介 北杜・長坂郷土資料館

 昨年9月に亡くなった自然写真家の村松正文さん=甲府市飯田3丁目、享年65歳=の作品を集めた企画展「村松正文写真展 ただ、それだけを視つめた瞳」が7日、北杜市長坂町中丸の長坂郷土資料館で始まった。

 約60点を年代順に3部構成で紹介。第1幕(1968~81)は、村松さんが独学で山野草の撮影を始めた当時の作品で、植物に興味を持つきっかけになった「オキナグサ(茅ケ岳)」などを展示している。

 続く第2幕(82~96)では、高山植物の不法採取が深刻化し、危機感を覚えた村松さんが精力的に撮影した「キバナノアツモリソウ(櫛形山)」、「アズマイチゲ(甘利山)」のほか、紅葉が映える瑞牆山や晩秋の西沢渓谷を写した作品も並ぶ。

 村松さんは97年に病気を患って山登りが困難になり、撮影場所を川や野原に移した。最後の第3幕(97~2008)は「オイカワの章」と題し、主に淡水魚やカエルなど水辺の生物を被写体にした作品が中心になっている。

 このほかカメラやレンズなどの撮影機材も展示している。10月12日までで、期間中、一部展示替えを行う予定。時間は午前9時~午後5時。

【写真】村松さんの作品が並ぶ企画展=北杜・長坂郷土資料館

(2009年7月8日付 山梨日日新聞)

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