山林活用へモデル事業計画 南アルプス市 薬草園や遊歩道整備 薬膳料理の提供も

 南アルプス市は、薬草を軸に山林の有効活用を図る「健康と癒しの森推進モデル事業」に取り組んでいる。薬草を見たり、香りを楽しんだりする薬用植物園や遊歩道の開設、薬草グッズの開発などを計画。施設は山岳観光の玄関口である白根地区への整備を検討していて、「五感で楽しめる観光地づくり」を目指す。

 市みどり自然課によると、市街地に近い場所に広がる山林の活用策として薬草に着目。白根地区では住民による研究グループが独自に薬草の栽培をしてきたこともあり、官民一体で取り組んでいくことにした。

 昨年十月、市は学識者や観光団体の代表者、山林所有者ら十六人でつくる「市健康と癒しの森推進モデル事業研究会」(委員長・磯田進昭和大薬学部附属薬用植物園講師)を設置。

 自生のほか、植栽した薬草の観賞を楽しむ遊歩道や薬用植物園の開設、薬草を使った加工品開発などを検討していて、飲食店での薬膳料理提供も考えている。

 また白根地区は南アルプス登山の拠点である芦安地区の入り口に当たることから、両地区の温泉施設に薬草風呂を設け、登山客らに楽しんでもらうことも検討中だ。

 研究会はこれまでに白根地区での薬草勉強会なども実施。本年度中に薬草園の開設場所や栽培に適した薬草の選定案などを盛り込んだ計画書を策定。市が来年度以降、事業化に向けた詰めの協議をする。

 市と同研究会は薬草について理解を深めてもらうため二月三日午後七時から、市櫛形生涯学習センターで「日本と世界の薬草事情」と題した講演会を開く。


【写真】薬草の勉強会に参加する研究会メンバー=南アルプス市築山

(2006年1月28日付 山梨日日新聞)

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