「自然と共存進めて」南アルプス国立公園 制定40年式典で市毛良枝さんが講演

 南アルプス国立公園指定40周年記念式典(南アルプス市主催)が25日、市櫛形生涯学習センターで開かれた。女優市毛良枝さんの講演会やシンポジウムを行い、節目を祝った。

 式典には、市や県などの関係者が出席。石川豊市長が「自然を後世に引き継ぐことは『南アルプス』を冠した市民の責任。傷つけることなく、今後も自然との共存を進めたい。同時に自然を市の発展の糧にもしたい」とあいさつした。

 南アを隔てて西隣の長野県長谷村から招かれた宮下市蔵村長は「『村長、先に(南アルプスの)名前を取られたね』と言う人もいたがそうではない。誰もがうなずける名前で、大きな拍手で迎えている」と祝辞を述べ、会場の笑いを誘った。

 講演では、市毛さんが登山と縁のない生活から山に魅せられるまでのエピソードを披露。「私にとっては、頂上を踏むことよりも、山で何を感じたかが大事。そのことに最初に気付いたのが甲斐駒と仙丈(への登山)だった」と振り返った。「誰もが立ち入れないところがあってもいい。人間が生きていくために、自然への負荷を減らしていくことを考えなければならない」とも語った。

 シンポジウムでは、石川市長や県山岳連盟の内藤順造会長らが自然保護と適正利用について意見交換した。

 同国立公園は国内2番目の高峰、北岳(3,192メートル)など3000メートル級の山々を有する山岳公園。希少植物や動物が多く、1964(昭和39)年6月1日に国立公園に指定された。山梨、長野、静岡3県をまたぎ面積は約3万5000ヘクタール。

(2004年6月26日付 山梨日日新聞)

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