2004.6.17 News / 登山 / 百名山 /

雪渓に紅葉映える 北岳

 紅葉前線が南アルプス北岳(三、一九二メートル)のりょう線をスタートし、山肌を染めながら山ろくへ向かっている。大樺沢には夏を越した雪渓が残り、白い“万年雪”と鮮やかな赤や黄色の木々が美しいコントラストを見せている。

 紅葉は、標高三千メートルのりょう線から二千七百メートル辺りにかけてが最盛期。東面のバットレスと呼ばれる大岩壁の周辺は、ダケカンバの黄色が基調でナナカマドの赤色が彩りを添える。
 南アルプス林道の通行止めの影響で入山者は少なく、登山者は秋真っ盛りの山の眺めをゆっくりと楽しんでいる。

 紅葉の進み具合は平年並み。あと一週間ほどで約二千二百メートルの大樺沢二俣や白根御池小屋辺りが見ごろを迎える。

 雪渓は二千五百メートル付近にある。平年は九月上旬までにほとんど解けて消えるが、今年は春の積雪が多くて冷夏だったため、“万年雪”となりそうだ。

 広河原山荘の管理人、塩沢久仙さん(61)は「紅葉の時期に雪渓が見られるのは近年では珍しい。今年は雪渓が消えないまま冬を迎えそうだ」と話している。


【写真】岳の山肌を鮮やかに染める紅葉。白い雪渓と青空に映える=北岳の大樺沢

(2003年10月3日付 山梨日日新聞)

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