2012.5.24 News / 芦安山岳館 /

【特集】南アルプスの名峰ゆっくり“衣替え”

南アルプス・鳳凰三山は、厳しい冬山シーズンが終わり、新緑の季節へゆっくりと装いを変えている。登山道入り口周辺には色とりどりの花が絶え間なく咲いているが、標高が上がると、山肌は多くの雪で覆われたままだ。季節移ろう鳳凰三山を訪ねた。

地蔵ケ岳(奥)から観音岳に向けて歩みを進める登山者

地蔵ケ岳(奥)から観音岳に向けて歩みを進める登山者 

5月20、21の両日、夜叉神峠登山口から入り、薬師岳(標高2780メートル)、観音岳(同2840メートル)、地蔵ケ岳(同2764メートル)と続く稜線(りょうせん)を歩いた。訪れた2日間は、雲に覆われる時間もあったが、おおむね晴天に恵まれた。登山道沿いではブナの葉が緑に色づき、タチツボスミレやヘビイチゴなどが紫、黄色の花を咲かせ、目を楽しませてくれた。

標高2400メートルより上方に登ると、残雪が目立つ。気温は高く、薄着になって歩みを進める。ダケカンバやコメツガなどの樹林に囲まれた登山道を抜けると、森林限界(2700メートル付近)を超えて稜線に出る。ハイマツ交じりの岩肌が見える。残雪も目につく。風が収まった瞬間、谷の方向から「グルグル」という独特な鳥の鳴き声が聞こえた。ライチョウが近くにいるようだ。

標高2800メートルの稜線に立つと、北岳や甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳など3000メートル級の山々を一望できた。南アルプスの大自然はこれから夏支度を進め、日々表情を変えていく。

2012年5月24日付け 山梨日日新聞掲載

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