リニア残土で駐車場  南アルプス市芦安芦倉に300台 県、登山客増加に対応

 山梨県は15日までに、リニア中央新幹線の南アルプストンネル掘削工事で生じる残土を活用し、マイカー規制でバスへの乗り換えが必要となる南アルプス市芦安芦倉に、約300台分の駐車場を整備することを決めた。既に公営駐車場があるが、夏の登山シーズンは駐車スペースが不足するため、駐車場新設の必要性が高いと判断した。

 南アルプス・広河原に通じる県道と林道のマイカー規制を実施する登山シーズンは、広河原へ向かうバスの発着点となる芦安地区に多くの登山者が車を止める。芦安地区には公営駐車場が整備されており、7月の繁忙期には臨時駐車場を設けて約600台の登山者の車を受け入れている。

 しかし、駐車スペースの不足で違法駐車が相次いでいることや、南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録された場合、登山客の増加が見込まれることなどから、駐車場を新設することを決めた。

 リニア中央新幹線計画では南アルプスを貫通するトンネル建設で、早川町内から約325万立方メートルの建設残土が搬出される見通し。県はこのうち約100万立方メートルを駐車場の造成で使用し、バス停付近に約1万平方メートルを整備する。

 トンネルの建設残土をめぐっては、県が整備する奈良田と芦安地区を結ぶ道路建設の盛り土としても約70万立方メートルを使用する。県は、JR東海に道路建設と駐車場整備の費用の一部負担を求める方向で協議を進める。

 (山梨日日新聞 2014年2月16日付)

月別
年別