山岳保全活動応援します 山と渓谷社が基金を設立 来月、甲府で遺産認定地発表

 山や自然の話題を扱う出版社「山と渓谷社」(東京都千代田区)は日本の豊かな自然環境を守り、次世代につなげていこうと「日本山岳遺産基金」を設立した。11月3日、甲府商工会議所で開かれる「第1回日本山岳遺産サミットin山梨」で、保全活動などを支援する遺産認定地を発表する。

 基金は今年7月、同社創立80周年事業の一環として設立。日本山岳遺産の認定地は、特定の山岳エリアが対象で、NPOや自治体などの団体による次世代育成・啓発、環境保全、安全登山推進といった分野で、原則3年以上の活動実績を伴っていることが条件となる。認定された山岳エリア・団体には、活動助成金が贈られる。

 既に自薦による候補地の受け付けを終えていて、山梨県内からは櫛形山など3件の応募があった。

 サミットは認定地発表などを行う1部と、講演を中心とした2部で構成。登山家の戸高雅史さん=山中湖村在住=が「親子登山のすすめ」と題して、自然の魅力や登山の楽しみについて話す。

 月刊誌「山と渓谷」の神谷有二編集長は「基金を通して、地域に根差した身近な活動を続けているグループを応援したい。サミットを自然と人の関係を見直すきっかけにしてもらえれば」と話している。

 (2010年10月7日付 山梨日日新聞)

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