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2003.3.13 所属カテゴリ: 早川 / 登山 / 河川・沢・滝・渓谷 / 自然文化 /

奈良田第1発電所

 山梨県早川町奈良田。早川水系発電所管内の中央に位置し、山梨県営4発電所のうち最大規模。1958(昭和33)年1月に着工、61年9月に第1、第2と相次いで完成した。途中2度にわたって台風が襲来、道路を寸断されたり、発電所(第2)位置の変更を余儀なくされたりした。当時、出力は第1が2万6900キロワット、第2は4400キロワットで、総事業費50億6000万円。同川水系の県営電源開発事業は53(昭和28)年から上流の開発、電力不足解消を目指して着手、54年1月の西山発電所建設(営業開始57年4月)が最初で、61年10月の野呂川発電所(同63年12月)が最後となった。その後、75年までに奈良田第1に管理事務所を置き管理組織を一本化、野呂川、西山を遠隔制御している。奈良田第1は94年から2年事業で老朽化設備を改修、出力を2万7200キロワットに上げた。発電所の開発効果は電力供給の充実のほか、約40キロの電源開発道路(現県道南アルプス公園線)の新設、改修によって55年、定期バスが運行され、62年には南アルプス林道(旧野呂川林道)と結ばれ甲府盆地と環状道路を形成、登山などの観光発展に寄与した。