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2003.3.13 所属カテゴリ: 鳳凰山 / 芦安 / 登山 / 峠・尾根・バットレス /

夜叉神峠

 南アルプス市芦安にあり標高1770メートル。大崖頭山と高谷山の鞍(あん)部で白峰三山の展望台として知られている。

 昔、付近に夜叉が住み、大雨を降らせたり土砂を御勅使川に流し込んだりするかと思うと、雲を払って日照りを続かせるなど大暴れした。これを恐れた地元の人たちがほこらを建てて鎮めたことが名前の由来という。山仕事で生計を立てていた芦安の人たちは、この峠を越えて野呂川の谷へ下ったり、さらに杖立峠から南御室へと登って仕事をした。杖立峠は背負子の下につえを立てて休んだことからついたといわれる。

 しかし峠下に夜叉神トンネル(1148メートル)が通じ、野呂川林道が完成すると様子が一変。生活の峠から観光の峠になった。林道のバス停から峠までは歩いて50分前後。ヤマナシの咲く初夏、唐松の黄ばむ秋、ここから眺める雪の白峰三山は素晴らしい。鳳凰山の登山口として利用度も高い。山小屋、キャンプ指定地がある。=【写真】夜叉神峠