十日市名物 職人が臼作り 富士川

臼を作る佐野さん=富士川町平林

 富士川町平林地区で臼作りが進められている。10、11の両日に南アルプス市内で4年ぶりに開かれる「十日市祭典」で販売される。
 臼職人の佐野さん=同市下宮地=は、実家の忍沢養殖場(同町平林)で働く傍ら敷地内で製作に取り組んでいる。今シーズンは昨年10月に作業を始めた。輪切りにした直径40~50センチのケヤキの表面をチェーンソーで削り、のみやかんなで内部を整えた後、塗装して仕上げる。十日市には8個ほどを出品するという。
 佐野さんによると、平林地区で臼作りが盛んだった昭和前期には約30人の職人がいたが、高齢化などで現在十日市に出品するのは2人となった。佐野さんは「十日市の名物として親しまれている臼をなくすわけにはいかない。楽しみにしてくれる人のためにも心を込めて作りたい」と話している。

(山梨日日新聞 2024年2月9日掲載)

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