南アルプス山麓、昔は牧場地
伝承館 百々遺跡出土品を紹介

百々遺跡などの出土品を展示している企画展=南アルプス市ふるさと文化伝承館

 南アルプスの麓は“古代の工業地帯”だった?-。南アルプス市野牛島の市ふるさと文化伝承館は、企画展「かつて牧場があった! 南アルプス山麓の古代牧」を開いている。百々遺跡(同市百々)の発掘調査で発見した牛馬の歯や八稜鏡など100点近くの出土品を展示。御勅使川扇状地で古代、牛馬が飼育、活用されてきた歴史を紹介している。担当者は「御勅使川扇状地に牧があったことは地元住民にあまり知られていない。希少な出土品ばかりなので、ぜひ学んでほしい」と話す。

 同館によると、これまで御勅使川扇状地には鎌倉時代に「八田牧」があったとされていた。1990年代に百々遺跡の発掘調査で多数の牛馬骨が発見され、平安時代にも「古八田牧」と呼ばれる古代牧が存在していたと考えられる。平安時代に活躍した加賀美遠光や小笠原長清ら甲斐源氏の軍事的・政治的基盤を支え、鎌倉幕府成立にも関係するとされている。
 今回、板金や金属などをつかむ鉄製の工具「鉄製ヤットコ」や、租税として納めた薬や絹などを計量する「銅製錘」などの出土品を展示。ヤットコは鍛冶、銅製錘は関連した役所があった根拠と考えられる。中山誠二館長は「(御勅使川扇状地は)古代の“工業地帯”となっていたのではないか」と分析する。
 今月24日には、中山館長が企画展を解説する講座も開く。先着20人で、要予約。問い合わせは同館、電話055(282)7408。
 企画展は12月20日まで。木曜日休館(11月23日は開館、24日は休館)。午前9時半~午後4時半。入館無料。

(山梨日日新聞 2023年9月20日掲載)

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