2016.9.27 News /

遭難防止、都内で講習 紅葉期控え異例の対策 県警 山の事故 今年100件超、9割県外者

 山梨県内で登山者の遭難が過去最悪のペースで推移しているとして、県警や山岳関係者が危機感を強めている。県警によると、今年に入り発生した遭難は100件を超え、既に昨年1年間に並んだ。昨年は遭難のうち3割が9月以降に発生しており、県警は秋の紅葉シーズンを前に警戒を強化。近く東京都内で安全な登山を呼び掛ける初のイベントを開き、県外から訪れる登山者をターゲットにした対策に乗り出す。

 県警地域課によると、今年に入り今月22日までの遭難件数は107件(前年同期比26件増)、遭難者数は114人(同28人増)。1年間の最多は遭難件数が13年の113件、遭難者数は14年の127人で、今年は過去最悪のペースで推移している。遭難による死者は15人。

 県警が遭難者の居住地を調べたところ、県外からの登山者が9割を占めていることが判明。65・8%に当たる75人が東京や埼玉、神奈川など県外の大都市圏から訪れる登山者だという。

 県山岳連盟の古屋寿隆会長は「今年は比較的天候が良くない日が多く、登山者が少ない印象を受けているが、山の知識や経験が乏しい登山者が遭難してしまうケースが目立っている」と指摘する。県山岳連盟は10月から、机上の講習会と実習をセットにした登山教室を開くという。

 一方、県警は10月5日、東京都港区で安全な登山を呼び掛ける初めてのイベントを開く計画。県警山岳救助隊員が遭難事故の発生状況を説明するほか、救助活動の動画を上映。2000年シドニー五輪競泳日本代表の萩原智子さんを「一日安全登山大使」に任命し、トークショーも予定している。

 昨年1年間に発生した遭難のうち、約3割に当たる35件は9~11月に発生。同期間には例年20~40件の遭難が起きていて、同課の担当者は「秋は日暮れが早くなり、気温差も大きくなるので、防寒着は忘れずに携行してほしい。万が一に備え、携帯電話の充電器やバッテリーも持ち歩いてほしい」と呼び掛けている。

 (山梨日日新聞 2016年9月24日付)

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