2016.8.16 News / 登山 / 百名山 /

甲斐駒の歴史、山岳信仰を紹介先駆者の遺品も並ぶ

北杜市郷土資料館(同市長坂町中丸)は、甲斐駒ケ岳の開山200周年を記念した企画展「甲斐駒ケ岳 開山二百年の祈り」を開いている。開山の経緯や山岳信仰などについてパネルや当時の資料で紹介している。

甲斐駒ケ岳の開山前後を中心に紹介。1816年に、約3カ月かけて甲斐駒ケ岳を登頂した開山者小尾権三郎のコーナーを設置した。開山後に小尾が、奈良吉野の山岳修行をする道場から院号や錦のけさを受け取ったことを記した書状を展示している。

開山を支援した山田孫四郎久義が保管していた小尾の遺品約10点も並ぶ。山岳修行中に使われた経典や奈良吉野で受け取ったとみられるけさ、祈祷に用いた法具などがある。小尾の自画像も飾った。

このほか、駒ケ岳信仰の布教活動の拠点となった横手駒ケ岳神社や、信仰登山の聖地の一つとなった不動滝についてパネルで説明。展示スペース中央に配置した北杜市と周辺の地形を縮尺したジオラマには、小尾が開山したとされる黒戸尾根登山ルートが示されている。

同資料館の担当者は「現代ではスポーツや観光の登山が主流だが、山岳信仰について知り、自然への畏敬の念を感じてもらいたい」と話している。

10月16日まで。午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。期間中には甲斐駒ケ岳の歴史や山岳信仰などについての講演会も開いている。問い合わせは同資料館、電話0551(32)6498。

【写真】甲斐駒ケ岳の山岳信仰などについて紹介した企画展。手前がジオラマ。左奥が開山者・小尾権三郎のコーナー=北杜市郷土資料館

(山梨日日新聞 2016年8月8日付)

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