南アルプス林道、公園線をマイカー規制へ 6月末-11月初旬、協議会方針 環境保全が目的、100円の協力金を導入

 南アルプスの広河原に通じる南アルプス林道と県道南アルプス公園線の利用法などを検討している「南アルプス山岳交通適正化協議会」(会長・今沢忠文南アルプス市長)は2日までに、環境保全を目的にマイカー規制を実施する方針を固めた。ゲート管理などにかかる費用として、今夏からバスやタクシーの利用者に「協力金」として1人100円の支払いを求める。期間は車両通行可能な6月末から11月初めとしたい考え。7日に正式決定し、横内正明知事と県警本部長に要望する。マイカー規制に伴う協力金制度の導入は県内で初めて。

 南アルプス林道は2004年から、安全対策工事に伴う通行者の安全確保を理由に、道路管理者の県の権限でマイカー規制を実施。2005年からは早川町側の県道南アルプス公園線でも同様の規制を実施した。工事終了を受け、環境保全を目的としたマイカー規制の導入を検討。長年、夏山シーズンには広河原付近の林道が駐車車両で混雑し、自然保護を求めるハイカーから混雑解消を求める声が強かったことなどを踏まえ、公安委員会による規制を要請することにした。

 規制区間は南アルプス林道芦安-広河原間(14キロ)と県道南アルプス公園線奈良田-広河原間(18キロ)。マイカー客は南アルプス市芦安地区か早川町奈良田の無料駐車場に車を止め、バスなどに乗り換えて広河原に入る。規制区間のバス運賃は昨年は各1000円、芦安-広河原間の乗合タクシー運賃は1100円で、今夏から利用者に協力金の100円を上乗せして運賃を支払ってもらう。

 広河原へのシーズン中の入山者は約3万人で、協力金収入は年間600万円程度になる見込み。同協議会はマイカー規制にかかる人件費や環境整備費などの経費を約1400万円と試算しており、行政やバス・タクシー事業者も負担金を出す予定。

 マイカー規制期間(バスなどの通行可能期間)は昨年より10日間延長し、冬季閉鎖を除く6月25日から11月9日までの138日間とすることで県公安委員会に要望する。今沢会長は「これまで工事のために実施していたマイカー規制を、南アルプスの自然環境を守るために続けていきたい。協力金制度によって、世界遺産登録に向けた機運を高めてもらうことにもつながるのではないか」と話している。

 県内では富士山有料道路(富士スバルライン)で、1993年から夏の一定期間に限ってマイカー規制を導入している。

マイカー規制協力金制度 マイカー規制にかかる費用負担の一部を利用者に求める制度。北アルプス・乗鞍岳の山岳道路「乗鞍エコーライン」では2003年7月のマイカー規制導入に合わせてバス利用者に100円、タクシー一台に300円の協力金を求め、ゲート管理や除雪などの経費に充てている。岐阜県側の「乗鞍スカイライン」は県が法定外目的税の「環境保全税」を徴収してライチョウ保護など自然を守る事業費に充当。協力金は利用者の任意で、導入に大臣の同意を必要としない点で法定外目的税とは異なる。

【写真】安全対策工事のためのマイカー規制に伴い運行されたバスから降りる登山者=南アルプス・広河原(2007年6月)

(2008年2月3日付 山梨日日新聞)

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