第1回南アルプスサミット 静岡市で開催 世界遺産登録アピール 山梨から4市町参加 シカ食害対策で連携

 南アルプス世界自然遺産登録推進協議会(会長・小嶋善吉静岡市長)は28日、静岡市駿河区の県コンベンションアーツセンターで、第1回南アルプスサミットを開いた。全体会議では、10市町村がシカによる高山植物の食害防止対策に取り組むことなどを盛り込んだ世界遺産登録推進アピールを採択した。

 同協議会は、南アルプス国立公園を抱える山梨、静岡、長野3県の関係10市町村で構成。初開催となったこの日のサミットには南アルプス、韮崎、北杜、早川の山梨県内の4市町の関係者ら約900人が参加した。

 10市町村の首長らによる全体会議では、首長らが世界遺産登録に向けた取り組みや課題などを紹介。この後、世界遺産登録推進アピールを全会一致で採択した。

 同アピールでは、南アルプスで近年、被害が目立つシカの食害について、10市町村が連携して取り組んでいくことを明記。自然環境に関する調査研究や南アルプスの価値を高めるための情報発信も盛り込んだ。山梨県側の山小屋関係者によると、南アルプスでの食害はキンポウゲ科などの高山植物が食い荒らされている。シカの行動範囲も北岳では標高2000-3000メートル付近にまで拡大しているという。

 全体会議に先立ち、シンガーソングライターのみなみらんぼうさんが「自然と親しむ素晴らしさ」と題して基調講演。南アルプスで自然保護活動に取り組むNPO法人などの活動発表もあった。

 同協議会は今後、定期的に会議を開くほか、年1回のペースでサミットを開催する予定。

【写真】世界自然遺産登録推進アピールを採択した南アルプスサミット=静岡市駿河区

(2007年7月29日付 山梨日日新聞)

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