2004.6.17 News / 登山 / 山小屋 /

99年倒壊の北岳「白根御池小屋」再建へ 仮設小屋隣接地に 来年度にも着工

 一九九九年の雪崩で全壊した南アルプス・北岳の山小屋「白根御池小屋」をめぐり、南アルプス市は現在営業している仮設小屋の隣接地に再建する方針を固め、関係省庁との協議を始めた。自然公園法などの条件がクリアできれば来年度にも建設費を予算計上する。同小屋の再建は旧芦安村時代からの懸案で、過疎債も活用して早期再建を目指す。

 白根御池小屋は広河原から北岳に向かう途中の標高二、二三○メートル地点にある。鉄骨平屋(六五年建設)と木造一部二階建て(九一年建設)の二棟、定員約百二十人で登山シーズンに営業していたが、九九年四月の雪崩で全壊した。

 営業は同年六月に設置した仮設のプレハブ施設で再開している。 関係者によると、当時の芦安村は同小屋検討委員会をつくり再建策を協議。建設場所をめぐっては、登山者の利用が多い大樺沢ルートの「二俣」などが浮上した。

 しかし、雪解け期に施設にかかる雪圧や環境調査の結果、現在地から数メートル山側の場所が最適であることが分かり決まった。

 建設地の決定を受け、同村は町村合併前の三月、環境省や林野庁に対し、建設に必要な同意や保安林指定の解除申請を行った。懸案を引き継いだ形の南アルプス市は、法的条件がクリアできれば来年度以降、二年かけて建設する方針だ。

 旧芦安村総務課長で現市役所芦安支所長の青木可行さんは「小屋は広河原と北岳のちょうど中間にあたる重要な地点にあり、周辺には貴重な高山植物も多い。登山者の安全確保や自然保護のためにも早く再建したい」と話している。

【写真】雪崩により倒壊後に仮設し、営業している白根御池小屋=北岳

(2003年8月4日付 山梨日日新聞)

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