県警ヘリ「はやて」新型に 来年夏にも運用、救助範囲広がる

 山梨県警は来年度、二十年間利用してきた県警ヘリ「はやて」に代わる新型機を導入する。現行機より空中停止(ホバリング)高度が上がり、山岳遭難者の救助活動範囲が広がるほか、連続飛行時間が三十分長くなるなど性能が向上。来年七、八月をめどに運用を始める。

 新型機はベル・テキストロン社(米国)製の「ベル412」。全長一七・一メートル、全幅二・八メートル。名称「はやて」は存続する。現行機の耐用年数などを考慮した更新のため、機体価格約九億円は国費負担となる。

 機能面では、山岳救助で遭難者のつり上げに必要なホバリング可能高度が、現状の千七百九十メートルから三千メートルまで上がる。県防災ヘリ「あかふじ」の二千二百八十六メートルを上回り、北岳(標高三一、九二メートル)レベルでの広範囲な救助活動が可能になる。

 また連続飛行時間が二時間半から約三時間になり、長時間の捜索ができるほか、機体の開口部を拡張したため一度に二人の遭難者をつり上げて収容できる。

 県は新型機導入による格納庫の建て替えや燃料タンクの改装に約一億九千五百万、航空電源車の更新に千三十九万五千円など計三億四千百七十九万九千円を六月定例県議会の一般会計補正予算案に計上。可決されれば十月から西八代郡市川大門町黒沢の県警航空隊の格納庫の改修工事などに着手する。

(2003年7月8日付 山梨日日新聞)

月別
年別