2014.7.24 News / 芦安山岳館 /

【南アルプス臨時支局】登山日記・「百聞は一見にしかず」実感

北岳の登山は、昨年の富士山に続き、人生で2回目となる、標高3000メートルを超える山への挑戦となった。日本一の山を登ったのだから楽に登れるだろうという考えは甘かった。岩場が多く、特に疲労がたまった2日目の17日の下山は足の痛みとの戦い。それでも山頂で見た景色や豊かな自然が広がる光景は忘れることのできないものとなった。

大樺沢沿いの登山道には雪解け水が流れ、疲れた体を癒やしてくれる=南アルプス・北岳

大樺沢沿いの登山道には雪解け水が流れ、疲れた体を癒やしてくれる=南アルプス・北岳

 連なる大きな山と深い谷。これまで取材の中で南アルプスの魅力は何度も聞いていたが、実際に見た北岳山頂からの間ノ岳や仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳など南アルプスの山々には圧倒され、まさに「百聞は一見にしかず」だった。

周囲に広がるお花畑や鳥のさえずり。雪解け水が沢を流れ、水の中を歩く所もあり、富士山には見られない光景もたくさんあった。流れる水は初夏とは思えないような冷たさで、渇いたのどを潤し、疲れた体を癒やしてくれた。これまでに飲んだ水で最もおいしく、ユネスコエコパークに登録された南アルプスの自然を直接体感することができた。

これまで山とは無縁だったがこれで日本で1番目と2番目に高い山を登頂。正直、北岳の登山はとてもつらく下山中はもう二度と南アルプスには登らないと思ったが、今は3番目の間ノ岳にも挑戦したいという気持ちが少しだけ芽生えている。

2014年7月24日付 山梨日日新聞掲載

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