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2003.3.13 所属カテゴリ: 甲斐駒ケ岳 / 登山 / 登山コース・開山祭 /

甲斐駒ケ岳登山道・黒戸尾根コース

 山頂から北東に延びる黒戸尾根を延々と登るコース。北杜市白州町の2つの登山口(竹宇、横手両駒ケ岳神社)から標高差約2,200メートル。日本最大級の登りだ。かつてはメーンの登山道だったが、苦しい登りを嫌って最近は登山者が少ない。登山道沿いには信仰の山を伝える石造物がいたる所にある。
南アルプスNET―甲斐駒ケ岳登山道・黒戸尾根コース
【参考タイム】
竹宇駒ケ岳神社

横手駒ケ岳神社
2:30


1:30
笹ノ平 3:10


2:00
5合目 1:00


0:40
七 丈 2:30


1:20
甲斐駒ケ岳
山頂

 竹宇駒ケ岳神社へは、車の場合、国道20号の白州道の駅角の信号を左折、白州中学の三差路を直進する。集落の終わりあたりで三差路を左に行き、道なりに進めば神社入り口の駐車場になる。竹宇の神社は2002年の春先、焼失したが05年夏に再建された。尾白川の吊り橋を渡って登山道に入る。右に行く道もあるが、これは河原に出てしまう。山腹に付けられたジグザグの登山道を登る。尾白川遊歩道と別れ、右へ大きくカーブ。登山道は深い窪みの中を行くようになる。ややはっきりした尾根状になるあたりで直角に曲がる。しばらくして分岐になる。右の水平道は従来からのもので、粥餅石(かゆもちいし)を経て笹ノ平に至る。粥餅石手前のザレで登山道が一部崩れたため、左の尾根をう回する道が造られている。山慣れた人なら右でも大丈夫。左は尾根を登る。左手から横手駒ケ岳神社からの冬道が合流し、水平気味に行くと、やはり左手から横手からの夏道が合流する。笹ノ平の水場はすぐだ。夏は枯れている場合がある。横手駒ケ岳神社からは、神社の裏手から歩き、車道を 横切って登山道に入る。えぐられた道を登り見晴台へ。八ケ岳がよく見える。沢を渡り深い笹の中を登り切ると竹宇からの登山道と合流する。
(竹宇、横手両駒ケ岳神社から約2時間半。下り約1時間半)

黒戸尾根の刀利天狗 甲斐駒ケ岳の石像物(5合目)

 笹ノ平は笹が下生えの樹林帯。水場がある(渇水期にはかれることがある)。ここからは、さらに急な登りになる。八丁登りとも呼ばれ、登り切って平らになり、また登って平らになりを何回も繰り返す。登り切ってほっとしたところで、今度は両側が切れ落ちて狭い岩場を越える刃渡りが現れる。慎重に通過し、急な登りを越えると刀利天狗の社に出る。ここから下って五合目の鞍部となる。鞍部手前の五合目小屋は無人。老朽化が進み、2005年夏の時点では使用不可になっている。水場があるが夏はかれている場合もある。鞍部の屏風小屋は荒廃していて使えない。
(笹ノ平から約3時間10分。下り2時間)

甲斐駒ケ岳・七丈第一小屋 甲斐駒ケ岳・七丈第二小屋

 ここからは、さらに急な登りとなる。階段が立て続けに現われ、ほぼ垂直な岩を鎖にすがって越える場所もある。細い尾根をトラバースすると突然、七丈第一小屋前に出る。岩稜の上に立てられていて、これまでの緊張からやっと解放される。水場も近い。
(5合目から約1時間。下り約40分)

甲斐駒ケ岳山頂
 すぐ上が第二小屋。小屋裏のはしごを登ってしばらくするとキャンプサイトがある。ハイマツの中を 登り切ったピークが8合目。鳥居や鉄剣が立っている。北から東の展望がいい。甲斐駒ケ岳山頂から切れ落ちる赤石沢奥壁が恐ろしいほどだ。平らを真っ直ぐ行って再び登りとなるが、平らの終わりあたりで左に下る踏み跡がある。沢と岩登りに利用されているもので、入り込むととんでもないことになる。鎖場や岩場を越え、石造物や鉄剣が目立つハイマツ帯を登る。登り切ると北沢峠からの登山道が合流する。山頂はすぐだ。
(七丈から約2時間半。下り約1時間20分)
※注意
 紹介した登山コースは、あくまで参考です。コースタイムは人によって違いますし、登山道も変化があります。登山前にガイドブックや登山記録を調べ、自分の判断で登山計画をたてて下さい。遭難した場合、捜索が速やかにできるよう登山計画書を登山口で提出して下さい。各登山口にボックスがあります。山小屋でも受け付けます。この南アルプスNETから山梨県警察本部のホームページにリンクすれば、インターネットでも登山届を出すことができます。個人の責任でしっかりとした計画をたて、安全で楽しい登山ができるようお祈りします。