更新日:2017年06月14日
登山届義務化 見送り
県検討 委専門家指摘で軌道修正
 登山の安全対策を考えるため山梨県が設置した検討委員会(委員長・今井久山梨学院大教授)は13日、富士山以外の難易度が高い山について、登山届の提出義務化を見送ることで一致した。努力義務として県条例に盛り込む方針で、義務化で意見集約した前回会合からトーンダウンした格好。専門家から「登山届の内容が適切かチェックする体制がなく、提出の義務付けは困難」との指摘があり、軌道修正した。

 検討委は登山関連団体の代表や自治体職員らで構成。同日は甲府・県防災新館で会合を開き、行政法の専門家として山梨学院大大学院の三好規正教授を招き、届け出制や罰則の説明を受けた。三好教授は「届け出は行政が監督するため必要な情報を収集する制度。現状は受理後の指導や勧告体制が構築できず、届け出の義務化や罰則の設定は困難」との見解を示した。

 県観光資源課によると、広い山域で登山届の提出が義務化されている長野県は、登山指導センターや登山指導員を配置し、登山計画書の内容確認や登山者の指導に当たっている。山梨県内は現在、同様の仕組みがないという。

 指摘などを受け検討委事務局の県は、現状で実現が可能な安全対策を提示。難易度の高い八ケ岳と南アルプス、富士山(標高3200メートル未満のエリア)の山梨側山域は提出を努力義務とし、「富士山の3200メートル以上は、罰則を設けずに義務化する」などとした。

 次回は県があらためて新たな安全対策の骨子案を示す。県は検討委の意見を踏まえ、今年の冬山シーズン前の条例制定を目指す。

 【写真】富士山を除く難易度の高い山について、登山届提出の義務化見送る方針を確認した検討委員会=甲府・県防災新館

 (山梨日日新聞 2017年6月14日付)