更新日:2010年12月18日
絶滅寸前の現状理解を
高山植物タカネマンテマ
園芸高・笛吹高研究部生徒が分析、訴え

 絶滅危惧(きぐ)種のタカネマンテマの現状を知って−。山梨園芸高・笛吹高植物研究部(亀井忠文顧問)は、高山植物のタカネマンテマが絶滅の危機に直面していることを、研究成果をもとに訴えている。同部で培養に成功したタカネマンテマで種子の定着率を分析し、定着率がほかの植物より低く、個体数の減少が続いていることが分かった。同部は「研究報告を通して、絶滅の危険性が高いといわれていたキタダケソウより、タカネマンテマの方がより深刻であることを理解してほしい」と訴えている。

 同部は培養が難しいとされるタカネマンテマの増殖に成功。50株ほどをサンプルとして抽出し、1株あたり平均861個の種子を採取した。この数値をベースに高山における発芽状況などを推定。南アルプスの個体群では種子は8万6130個生産されると試算されたが、この中からわずか1.72個しか発芽・定着しないことが分かった。

 しかし、自然の中では発芽率はより低く、個体群が維持できるほどではないとし、「死滅のスパイラル」に入っていると結論付けた。部長の飯島純さん(17)は「タカネマンテマが絶滅寸前ということはあまり知られていない。今回の研究を通して保護の必要性を訴えたい」と話していた。

 タカネマンテマは盗掘などで個体数の減少に歯止めがかからず、環境省の2007年「レッドリスト」では絶滅危惧IA類に格上げされ、現在では100株以下に減少していると考えられている。顧問の亀井教諭は「10年来北岳付近で観察しているが、タカネマンテマが減っていると感じる」と話す。

 同部はこのほど開かれた県高校芸文祭で高山植物のタカネマンテマの状況を報告。同研究は芸文祭の自然科学部門で芸術文化祭賞を受賞した。

 【写真上】絶滅の恐れのあるタカネマンテマ

 【写真下】研究成果を発表する生徒たち=山梨園芸高

 (2010年12月18日付 山梨日日新聞)