南アルプス芦安山岳館/イベント・お知らせ


 ■【連載】南アルプス 自然と人[11]
受け入れ整った広河原 避暑、散策…楽しみ方多彩

川のせせらぎが人々を迎える広河原。野呂川に架かるつり橋を渡って多くの登山者が高峰へ向かう
川のせせらぎが人々を迎える広河原。野呂川に架かるつり橋を渡って多くの登山者が高峰へ向かう
 南アルプスの登山口・広河原。林道、県道が交わるこの場所は、夏のシーズン中、連日多くの人たちでにぎわう。登山者に交じって観光客の姿も見られる。今年は環境省の「野呂川広河原インフォメーションセンター」もオープン。館内見学と周辺散策を楽しもうという人も増えていて、さながら富士山5合目のような雰囲気を見せている。

 国内第2の高峰・北岳を望むロケーションにある広河原は、標高約1500メートルに位置する。周辺にはコマドリなどの野鳥が数多く生息し、貴重な植物のほか、森林百選の一つ「カツラの林」もある。夏は涼しい避暑地として人気を集め、秋にはカエデやダケカンバなどが赤や黄色に染まり、高峰とのコントラストが訪れる人々を魅了する。野呂川広河原インフォメーションセンターは、登山情報の提供や自然保護、南アルプスが誇る貴重な動植物のPRなどを目的に整備。キタダケソウやライチョウなどのほか、周辺の散策ポイントなど国立公園内の魅力を紹介し、休憩スペースも備えている。

 トレッキングや写真撮影、釣りなどさまざまに自然を満喫できる広河原。アウトドアファッションに身を包み、重いリュックサックを背負って高峰へと足を進める登山客とは対照的に、ジーパンにTシャツとラフな格好で訪れる観光客の姿も目立つ。

多くの登山者らでにぎわう野呂川広河原インフォメーションセンター
多くの登山者らでにぎわう野呂川広河原インフォメーションセンター
 長野県松本市から観光ツアーで来ていた女性(50)は「広河原は涼しくて眺望が良く、癒やしのスポット。体力的に山登りはできないが、ふもとでも十分に南アルプスを満喫できる」と満足げ。埼玉県飯能市から夫婦で訪れた平田良夫さん(63)は「南アルプスは、登山やバットレスでのロッククライミングも魅力だが、広河原周辺で山々を望みながらジョギングすることも楽しみの一つ。頂上にこだわらず自然の中で過ごすことが一番です」。それぞれのスタイルで南アルプスを満喫している。
2010年8月18日付 山梨日日新聞掲載