南アルプス芦安山岳館/イベント・お知らせ


 ■【連載】南アルプス 自然と人[10]
伝統受け継ぐ芦安中生徒 山で活動、郷土愛はぐくむ

 山岳文化の継承、遭難事故の防止活動、美しい自然など魅力のPR…。南アルプスを舞台に、大人顔負けの取り組みを展開する子どもたちがいる。ふもとに位置する芦安中の生徒たちだ。「芦安の良さを知り、やがて地域を担う人材に育ってほしい」。地域や教師たちの思いから始まった、南アルプスの山々を舞台にした活動は、同校の伝統となっている。

南アルプスの高峰に立ち「わたしのいたい場所は芦安」と地域への思いを語る里吉菜月さん
南アルプスの高峰に立ち「わたしのいたい場所は芦安」と地域への思いを語る里吉菜月さん
 3000メートル級の山々が連なる南アルプスへと向かう全校登山は、約20年の歴史がある。目指すのは年度によって異なり、北岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山の3カ所が対象だ。昨年は生徒がカメラを持ち、南アルプスのさまざまな表情を撮影。その魅力を写真展などで多くの人々に伝えた。

 また、山岳遭難の防止に向けて手作りの看板を設置。「あなたの帰りを待っています」などの言葉が刻まれ、今も山道で登山者に安全登山を訴え続けている。

 7月16、17の両日に行われた今年の全校登山では、山岳文化を学び、鳳凰三山の一つ地蔵ケ岳に手作りの地蔵を奉納した。「盛り上げよう芦安」「芦安の自然がいつまでもあるように」。全校生徒15人が作り上げ、奉納した地蔵には、それぞれの願いが込められている。

 子どもたちの活動の陰には、熱い思いで支える大人たちの姿がある。NPO法人南アルプス芦安ファンクラブのスタッフ、環境省のアクティブレンジャー、市教委の担当者…。この日もそうそうたる顔ぶれが並んだ。

 「南アルプスは地域の自慢」と話すのは同校3年の里吉菜月さん(14)。過疎化や少子化が進む中、自身は大人になっても芦安で過ごしたいという。「大自然のふもとにあって、地域みんな仲がいい芦安が大好き。なんだかんだと言っても、わたしのいたい場所だと思う」。全校登山の途中、周囲の山々を見渡しながら笑顔を見せた。 (次回は8月中旬に掲載します)
2010年7月25日付 山梨日日新聞掲載